問題 記憶力と集中力への効果が、より期待できるのは、次のどれでしょう?
1.イチョウ葉エキスを摂る。
2.高麗人参を摂る。
3.イチョウ葉エキスと高麗人参を併せて摂る。
答え
イチョウ葉エキスは、高麗人参と併せて摂りましょう。
きょうはそんなエビデンスのご紹介です。
スイスで発売されている「Gincosan」を用いた記憶力、集中力、注意力への実験。
研究に使われた Gincosan 160mg とは、その製品1カプセルのこと。
イチョウ葉エキス60mg 、高麗人参100mg が入っています。
下記リンクは、Gincosanのメーカーサイト。
http://www.ginsanaproducts.com/our-products/gincosan.html
ところでイチョウ葉と高麗人参。
日本のサプリではキロンのスウィッチ SWITCH がおなじみかもしれません。
キロンのスウィッチ は、1カプセルにイチョウ葉エキス60mg、高麗人参100mg、大豆レシチン抽出物(ホスファチジルセリン)50mg、バコパエキス40mg が入っています。
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ギンコ (イチョウ葉エキス) と高麗人参を一緒に摂取することによる、生理的・精神的効果を評価した研究レビュー
A systematic review of research investigationing the physiological and psychological effects of combination Ginkgo biloba and Panax ginseng into a single treatment in humans:Implications for research design and analysis
PMID: 30729756
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=30729756
Abstract
背景と目的:高麗人参とギンコは昔から使用されているハーブサプリメントですが、臨床的エビデンスは完全には解明されていません。
この2つのハーブを一緒に内服することによる相乗効果を明らかにしたいと思います。
方法:我々は人を対象として2つを同時に摂取して生理的・精神的結果によりその効果を調査した論文を対象にレビューという形でまとめました。(以下省略)
結果:8つの論文が見つかりました。もっともはっきりした結論が出ていたものは、患者への循環器系/心血管系システムへの有効性と、患者と健常人に対する二次記憶への効果でした。
Introduction
高麗人参とギンコはどちらも伝統的なハーブサプリメントです。
それぞれ単体で様々な効果が示されており、例えば人参は中枢神経系の神経伝達物質に対する効果が報告されており、またアミロイドの沈着を予防することも示されています。
ギンコの活性物質もまた、中枢神経系の神経伝達物質経路に対する効果が認められており、中枢神経系・末梢神経系お血流を調整することも確認されています。(以下省略)
Results
一番最初の報告が1992年、最近の報告が2004年でした。
すべての報告がPanax ginseng抽出物G115 とGinkgo biloba抽出物GK501を使用していました。
3.2.1 内服初期におけるGincosanとプラセボとの効果の比較
Kiesewetterらが報告しており、二重盲目プラセボコントロール交叉試験の形で10人の被験者を対象に行っています。
Gincosan160mg(注:高麗人参100mg、イチョウ葉エキス60mg)
or
320mg(注:高麗人参200mg、イチョウ葉エキス120mg)
を単回内服し、60分後の生理学的効果を評価しています。
その結果安全性が証明され、また血圧や脈拍、血小板凝集、皮膚毛細血管での赤血球速度の改善が認められました。
その効果は320mg内服群の方が高いものでした。
3.2.2 Gincosanとプラセボでの長期/初期効果の比較
1997年KiesewetterらはGINCOSANの人の行動に対する効果を調査しています。
43-72歳の85人の被験者を対象に二重盲目ランダム化プラセボコントロール研究の形で行っています。
最初の4週間プラセボを内服、その後の8週間Gincosanを内服してもらい、4週目時点と8週目時点での臨床評価を行っている。
この論文では「4週目」「8週目」というのが、Gincosanを内服開始してから「4週」「8週」なのか、ギンコサンの内服すべてが終了してから「4週」「8週」なのか書かれていないため、完全に「長期効果」と言い切ることはできないだろう。
このような問題点はあるが、Gincosanは人の行動に変化をもたらしたようです。
特に8週目の評価で集中力と忘れっぽさの点で改善が認められています。
3.2.3 Gincosanの用量による初期/長期効果に重点を置いた研究
1997年、Wesnesらは平均年齢54歳の64人の被験者を対象に80mg, 160mg, 320mgの3つの用量をそれ俺内服してもらう研究を行っています。
2つの認知項目(記憶力と注意力)に対する評価と被検者の気分に対する評価および情報処理スピード(Vienna Determination Test)と運動時最大心拍数の評価を行っています。
評価は内服1日目、30日目、90日目で行いました。
160mg内服群および320mg内服群では記憶力の改善が認められた一方、80mg内服群では有効性は認められませんでした。
反対に80mg内服群では最大負荷時心拍数の上昇が抑えられ、被験者の身体に対しては有益な効果が認められました。
情報処理スピードでは有意な変化は認められませんでした。(以下省略)
3.2.4 長期、長期/初期における用量によるGincosanの効果
関連した4つの研究がなされています。
Wesnesらは2000年256人の健常人を対象に160mg 1日2回、もしくは320mg 1日1回内服してもらい、二重盲目プラセボコントロール研究を行っています。
このプロトコールはかなりしっかりしたもので16週にわたって行われています。
すべての被験者に2週間プラセボを内服してもらい、その後12週間Gincosanを、さらに2週間のwash-out期間を設けています。
評価はプラセボ内服前後、Gincosan内服開始後4週、8週、12週、内服終了後2週目で行われています。
1) 記憶の正確さ 2) 記憶の早さ 3) 集中力 4) 集中力の持続を評価項目としています。
興味深い結果として、Gincosanを内服すると内服を4,8,12,14週の評価時点すべてで記憶力に有意な改善が認められています。
つまり、その効果は内服中止後2週間持続したのです。
このことにより、Gincosanは記憶力に長期的効果があることが確かめられたのです。(以下省略)
3.2.5 Gincosanとプラセボの内服初期の効果の比較
短期効果については、Kennedyらが2001年二重盲目プラセボコントロール試験の形で研究報告を行っています。
平均年齢20.6歳の20人の健常人を対象に7日間のwash-out期間を設けたのち、320mg, 640mg, 960mgを内服してもらっています。
そして、内服前と内服後1,2.5,4,6時間時点での評価を行いました。
6項目a) 記憶の質 b) 二次記憶 c) ワーキングメモリー d) 記憶スピード e) 注意力の早さ f) 注意力の正確さ について評価しています。
960mg内服群では、内服後1時間と6時間時点での記憶力の質の改善が認められました。
この研究では記憶力に対して有益な効果が認められ、注意力への効果は認められませんでした。
3.2.6 Gincosan、ギンコ、高麗人参、プラセボ間での短期効果の比較
Kennedyらの2つ目の研究はGincosanとその構成物質単体、(ギンコ、高麗人参)での効果の比較を行っています。
平均年齢21歳の健常人20人を対象に7日間のwash-out期間を設けたのち、ランダムにギンコ360mg、人参400mg、Gincosan960m、プラセボを内服してもらいました。
内服前、内服後1,2.5,4,6時間の時点で3.2.5の研究で評価した6項目について調査しました。
6項目の評価結果を見ると、Gincosan960mg(注:6カプセル)内服群では“記憶の質”の改善が認められました。
加えて、その効果は2次記憶の成績の上昇によりもたられるものであることがわかったのです。(途中省略)
今回の研究でGincosanとその構成物質単体との比較をしたことで、その相乗効果について評価することができました。
記憶の質に関しては、ギンコ、高麗人参単体であっても記憶の質の改善は見込めるものの、効果を発揮する時間はそれぞれ異なっていました。(ギンコは内服後約6時間、高麗人参は内服後約4時間)
この結果により、ギンコと高麗人参を組み合わせることにより、記憶の質の改善がよりパワフルにはっきりとしたものになる可能性があり、さらに効果発現時間も早いものになる(内服後60分)可能性が示唆されました。
3.2.7 短期の用量依存性効果におけるGincosan、ギンコ、高麗人参、プラセボの比較
Scoley、Kennedyらの3つ目の研究では3.2.6の研究をさらに進め、用量による効果の違いを明らかにするため、3つの研究が行われています。
いずれも二重盲目プラセボコントロール交叉試験でギンコを120mg、240mg、360mg、高麗人参を200mg、400mg、600mg、ギンコサンを320mg、640mg、960mg内服してもらっています。
結果ギンコサンでは明確に用量依存性の効果が認められました。(以下省略)
3.2.8 省略
Discussion
今回集めた8つの研究結果の検討により人参とギンコの飲み合わせは認知機能の改善により効果があることがはっきりとしました。
この効果は健常人でも認められ、内服後60分程度で効果が発現し、内服中止後も14日間程度持続することがわかりました。(以下省略)
キロンのスウィッチは、アマゾン、楽天でも入手できます。
1.イチョウ葉エキスを摂る。
2.高麗人参を摂る。
3.イチョウ葉エキスと高麗人参を併せて摂る。
答え
イチョウ葉エキスは、高麗人参と併せて摂りましょう。
きょうはそんなエビデンスのご紹介です。
スイスで発売されている「Gincosan」を用いた記憶力、集中力、注意力への実験。
研究に使われた Gincosan 160mg とは、その製品1カプセルのこと。
イチョウ葉エキス60mg 、高麗人参100mg が入っています。
下記リンクは、Gincosanのメーカーサイト。
http://www.ginsanaproducts.com/our-products/gincosan.html
ところでイチョウ葉と高麗人参。
日本のサプリではキロンのスウィッチ SWITCH がおなじみかもしれません。
キロンのスウィッチ は、1カプセルにイチョウ葉エキス60mg、高麗人参100mg、大豆レシチン抽出物(ホスファチジルセリン)50mg、バコパエキス40mg が入っています。
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ギンコ (イチョウ葉エキス) と高麗人参を一緒に摂取することによる、生理的・精神的効果を評価した研究レビュー
A systematic review of research investigationing the physiological and psychological effects of combination Ginkgo biloba and Panax ginseng into a single treatment in humans:Implications for research design and analysis
PMID: 30729756
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=30729756
Abstract
背景と目的:高麗人参とギンコは昔から使用されているハーブサプリメントですが、臨床的エビデンスは完全には解明されていません。
この2つのハーブを一緒に内服することによる相乗効果を明らかにしたいと思います。
方法:我々は人を対象として2つを同時に摂取して生理的・精神的結果によりその効果を調査した論文を対象にレビューという形でまとめました。(以下省略)
結果:8つの論文が見つかりました。もっともはっきりした結論が出ていたものは、患者への循環器系/心血管系システムへの有効性と、患者と健常人に対する二次記憶への効果でした。
Introduction
高麗人参とギンコはどちらも伝統的なハーブサプリメントです。
それぞれ単体で様々な効果が示されており、例えば人参は中枢神経系の神経伝達物質に対する効果が報告されており、またアミロイドの沈着を予防することも示されています。
ギンコの活性物質もまた、中枢神経系の神経伝達物質経路に対する効果が認められており、中枢神経系・末梢神経系お血流を調整することも確認されています。(以下省略)
Results
一番最初の報告が1992年、最近の報告が2004年でした。
すべての報告がPanax ginseng抽出物G115 とGinkgo biloba抽出物GK501を使用していました。
3.2.1 内服初期におけるGincosanとプラセボとの効果の比較
Kiesewetterらが報告しており、二重盲目プラセボコントロール交叉試験の形で10人の被験者を対象に行っています。
Gincosan160mg(注:高麗人参100mg、イチョウ葉エキス60mg)
or
320mg(注:高麗人参200mg、イチョウ葉エキス120mg)
を単回内服し、60分後の生理学的効果を評価しています。
その結果安全性が証明され、また血圧や脈拍、血小板凝集、皮膚毛細血管での赤血球速度の改善が認められました。
その効果は320mg内服群の方が高いものでした。
3.2.2 Gincosanとプラセボでの長期/初期効果の比較
1997年KiesewetterらはGINCOSANの人の行動に対する効果を調査しています。
43-72歳の85人の被験者を対象に二重盲目ランダム化プラセボコントロール研究の形で行っています。
最初の4週間プラセボを内服、その後の8週間Gincosanを内服してもらい、4週目時点と8週目時点での臨床評価を行っている。
この論文では「4週目」「8週目」というのが、Gincosanを内服開始してから「4週」「8週」なのか、ギンコサンの内服すべてが終了してから「4週」「8週」なのか書かれていないため、完全に「長期効果」と言い切ることはできないだろう。
このような問題点はあるが、Gincosanは人の行動に変化をもたらしたようです。
特に8週目の評価で集中力と忘れっぽさの点で改善が認められています。
3.2.3 Gincosanの用量による初期/長期効果に重点を置いた研究
1997年、Wesnesらは平均年齢54歳の64人の被験者を対象に80mg, 160mg, 320mgの3つの用量をそれ俺内服してもらう研究を行っています。
2つの認知項目(記憶力と注意力)に対する評価と被検者の気分に対する評価および情報処理スピード(Vienna Determination Test)と運動時最大心拍数の評価を行っています。
評価は内服1日目、30日目、90日目で行いました。
160mg内服群および320mg内服群では記憶力の改善が認められた一方、80mg内服群では有効性は認められませんでした。
反対に80mg内服群では最大負荷時心拍数の上昇が抑えられ、被験者の身体に対しては有益な効果が認められました。
情報処理スピードでは有意な変化は認められませんでした。(以下省略)
3.2.4 長期、長期/初期における用量によるGincosanの効果
関連した4つの研究がなされています。
Wesnesらは2000年256人の健常人を対象に160mg 1日2回、もしくは320mg 1日1回内服してもらい、二重盲目プラセボコントロール研究を行っています。
このプロトコールはかなりしっかりしたもので16週にわたって行われています。
すべての被験者に2週間プラセボを内服してもらい、その後12週間Gincosanを、さらに2週間のwash-out期間を設けています。
評価はプラセボ内服前後、Gincosan内服開始後4週、8週、12週、内服終了後2週目で行われています。
1) 記憶の正確さ 2) 記憶の早さ 3) 集中力 4) 集中力の持続を評価項目としています。
興味深い結果として、Gincosanを内服すると内服を4,8,12,14週の評価時点すべてで記憶力に有意な改善が認められています。
つまり、その効果は内服中止後2週間持続したのです。
このことにより、Gincosanは記憶力に長期的効果があることが確かめられたのです。(以下省略)
3.2.5 Gincosanとプラセボの内服初期の効果の比較
短期効果については、Kennedyらが2001年二重盲目プラセボコントロール試験の形で研究報告を行っています。
平均年齢20.6歳の20人の健常人を対象に7日間のwash-out期間を設けたのち、320mg, 640mg, 960mgを内服してもらっています。
そして、内服前と内服後1,2.5,4,6時間時点での評価を行いました。
6項目a) 記憶の質 b) 二次記憶 c) ワーキングメモリー d) 記憶スピード e) 注意力の早さ f) 注意力の正確さ について評価しています。
960mg内服群では、内服後1時間と6時間時点での記憶力の質の改善が認められました。
この研究では記憶力に対して有益な効果が認められ、注意力への効果は認められませんでした。
3.2.6 Gincosan、ギンコ、高麗人参、プラセボ間での短期効果の比較
Kennedyらの2つ目の研究はGincosanとその構成物質単体、(ギンコ、高麗人参)での効果の比較を行っています。
平均年齢21歳の健常人20人を対象に7日間のwash-out期間を設けたのち、ランダムにギンコ360mg、人参400mg、Gincosan960m、プラセボを内服してもらいました。
内服前、内服後1,2.5,4,6時間の時点で3.2.5の研究で評価した6項目について調査しました。
6項目の評価結果を見ると、Gincosan960mg(注:6カプセル)内服群では“記憶の質”の改善が認められました。
加えて、その効果は2次記憶の成績の上昇によりもたられるものであることがわかったのです。(途中省略)
今回の研究でGincosanとその構成物質単体との比較をしたことで、その相乗効果について評価することができました。
記憶の質に関しては、ギンコ、高麗人参単体であっても記憶の質の改善は見込めるものの、効果を発揮する時間はそれぞれ異なっていました。(ギンコは内服後約6時間、高麗人参は内服後約4時間)
この結果により、ギンコと高麗人参を組み合わせることにより、記憶の質の改善がよりパワフルにはっきりとしたものになる可能性があり、さらに効果発現時間も早いものになる(内服後60分)可能性が示唆されました。
3.2.7 短期の用量依存性効果におけるGincosan、ギンコ、高麗人参、プラセボの比較
Scoley、Kennedyらの3つ目の研究では3.2.6の研究をさらに進め、用量による効果の違いを明らかにするため、3つの研究が行われています。
いずれも二重盲目プラセボコントロール交叉試験でギンコを120mg、240mg、360mg、高麗人参を200mg、400mg、600mg、ギンコサンを320mg、640mg、960mg内服してもらっています。
結果ギンコサンでは明確に用量依存性の効果が認められました。(以下省略)
3.2.8 省略
Discussion
今回集めた8つの研究結果の検討により人参とギンコの飲み合わせは認知機能の改善により効果があることがはっきりとしました。
この効果は健常人でも認められ、内服後60分程度で効果が発現し、内服中止後も14日間程度持続することがわかりました。(以下省略)
キロンのスウィッチは、アマゾン、楽天でも入手できます。
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