記憶愁訴(記憶力低下を自覚すること)のある壮年日本人の記憶力に対する大豆ホスファチジルセリンの効果

Soybean-Drived Phosphatidylserine Improves Memory Function of the Elderly Japanese Subjects with Memory Complaints

PMID: 21103034

(※下記、引用は、リンク先にて)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=21103034


Abstact
大豆ホスファチジルセリンは大豆レシチンから作られるホスファチジルセリンです。記憶愁訴のある壮年日本人の認知機能に対する大豆ホスファチジルセリンの効果を明らかにするために二重盲目試験を行いました。

やや記憶力に不安のある78人の壮年の方々(50〜69歳)にランダムに決めた大豆由来ホスファチジルセリン(100mg,300mg/日)もしくはプラセボを6ヵ月間内服してもらいました。

結果として大豆由来ホスファチジルセリンを内服したことで血液検査値や血圧、脈拍などに変化はなく、副作用も認められませんでした。

内服前の時点でスコアが低かった被検者でホスファチジルセリンを内服したことによる記憶力の有意な改善が認められました。一方でプラセボ群では変化がありませんでした。


Introduction
ホスファチジルセリンは脳に多く存在しているリン脂質膜の構成物質です。

ホスファチジルセリンの中枢神経系への影響が広く知られています。[1-5]

アメリカや欧州での臨床研究で牛由来ホスファチジルセリンが壮年被験者[6-10]やアルツハイマー病の患者[8,9]、年齢による記憶障害(AAMI)の患者[10]での認知機能の改善することがわかっています。

しかし、牛由来ホスファチジルセリンはBSE(狂牛病)のリスクがあるため、現在では使用されていません。

大豆由来ホスファチジルセリンはBSEのリスクがないためさかんに研究が行われてきました。[12]


(以下要約)1995年GindinらがAAMIのある壮年被験者に対して大豆由来ホスファチジルセリン(300mg/日 3か月間)の記憶力改善効果を報告したのが最初です。[17]

Crookらも大豆由来ホスファチジルセリン(300mg/日 12週)がAAMIの被験者で記憶力改善が認められたと報告しています。[18]

その他、同様の報告がありますが日本人を対象としたものはありませんでした。

我々は2005年AAMIの壮年被験者に対して大豆由来ホスファチジルセリンを内服してもらい、DWR(delayed 3words recall)テストで有意な改善を確認しました。[21]

これらの研究をベースとして我々は記憶に不安のある日本人壮年被験者を対象に大豆由来ホスファチジルセリン(100mgもしくは300mg/日 6か月)の効果を二重盲目試験の形で計画しました。

記憶力にやや不安のある被検者を抽出するためにRBMT(リバーミード行動記憶検査)を使用しました。[22]

それは記憶力の評価にフォーカスしてある試験です。

6か月の内服期間ののち、3か月のフォローアップ期間をとり、内服を中止したのち大豆ホスファチジルセリンの効果があるかどうかを調べました。


方法
対象(一部要約)
50-69歳の東京在住の男女でやや記憶力に不安のある方を対象としました。

まず、被験者の記憶力の低下の程度を評価し、特にHDS-RのDWRの項目について調査しました。

さらにRBMT、HDS-R、MMSEなどを使用し、スクリーニングを行いました。

その結果、700人のボランティアのうち78人が条件を満たしました。

5人がドロップアウトし結果として78人となりました。


研究デザイン
今回の研究はランダム化二重盲目試験の形で行い、被験者をランダムに3つの群に分けました。(それぞれ28人ずつ)どの群でも平均年齢や性別、教育を受けた年数、前述のスコアなどで違いはありませんでした。(表1,5)

スクリーニングを行って1ヵ月以内に3つの群にプラセボ、ホスファチジルセリン100mg/日、ホスファチジルセリン300mg/日を6ヵ月間内服してもらいました。

その後さらに3ヵ月経過観察を行いました。

内服開始前、内服から6ヵ月目、経過観察後3ヵ月目で評価を行いました。

認知機能を評価する目的にHDS-R、MMSEを、抑うつ気分の評価にGDSを、そして安全性を評価するために血液検査、尿検査を行いました。

さらに、RBMT、EMCについても内服開始前、内服1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、経過観察3ヵ月で評価を行いました。

※RBMTについて
RBMTは記憶力について検証するテストです。[22]

12項目からなり、個人の出来事や人の名前、新聞記事や訪れた場所といった毎日の記憶について評価します。(以下省略)

※HDS-R(長谷川式スケール)について
HDS-Rは認知症の診断に日本でよく用いられている評価方法です。
30点満点中21人より低いと認知症の可能性があります。

我々はこのうちDWRの項目に注目しました。

というのは、予備研究で大豆ホスファチジルセリンはこの項目に最も効果があったのです。[21]

DWRというのは、被験者に3つの関連のない単語を提示し、あとでそれを言ってもらうという方法です。

※EMC(日常記憶チェックテスト)について
EMCは記憶障害による日常生活での障害のていどを評価する方法です。[28]日常生活で起こりやすい記憶に関する問題や支障を13項目で評価します。


※安全性
血液検査および尿検査を内服前、ホスファチジルセリン内服終了直後(6ヵ月時点)、内服終了3ヵ月時点で行い、また血圧や脈拍といったバイタルサインについても評価しました。


結果
・安全性
研究期間を通じて、ホスファチジルセリンやプラセボを内服したことに関連する副作用は確認されませんでした。

表2,3に示したようにすべての群で血算および血液生化学値での有意な変化は確認されませんでした。
バイタルサインや尿検査でも変化はありませんでした。(表4)


・認知機能
RBMTでのスコアの変化を表5に記載します。

3群すべてでスコアの有意な上昇(改善)が認められ、いずれの時点でも大豆ホスファチジルセリン内服群とプラセボ群との間には有意な違いは認められませんでした。

内服開始前にRBMTスコアが19以上だった群とRBMTスコアが19以下だった群いずれにおいても有意な差は認められませんでした。

HDS-Rスコアについても内服期間中3群すべてで上昇(改善)が認められ、3群間では有意な差は認められませんでした。

しかし、3ヵ月の経過観察期間ののち、プラセボ群のスコアは内服前の水準まで落ちていましたが、ホスファチジルセリン100mg/日内服群および300mg/日内服群どちらにおいても高いスコアを維持していたのです。

HDS-R高スコア群では内服開始前後でHDS-Rスコアに有意な違いは認められませんでしたが、HDS-Rスコアがベースの時点で低い群では大豆ホスファチジルセリン内服後有意なスコアの改善が認められたのです。

図3(A)はHDS-RのDWR項目が低かった群のものです。

大豆ホスファチジルセリン内服群のスコアは内服前に比べて有意に改善し3ヵ月の経過観察後の評価で大豆ホスファチジルセリン100mg/日内服群、300mg/日内服群どちらにおいてもプラセボ群との有意な違いが認められました。

DWRにおけるスコアの改善の傾向は、そのトータルスコアの改善傾向と酷似していました。

このことは、トータルスコアの改善は主にDWR項目の改善によってもたらされるということを示しています。

事実、HDS-Rのその他の項目では有意な変化は認められませんでした。

内服前後での変化は小さいものではありましたがMMSEでのDWR項目についても同様の傾向が認められました。

大豆ホスファチジルセリン内服群では内服前に比べてスコアの有意な改善が認められましたが、その改善の程度はプラセボ群と比較して有意な違いが出るほどのものではありませんでした。


結論(一部抜粋)
言葉の思い出しの遅れは認知症の早期の段階での評価に有用であると言われており[30,31]今回の研究結果である大豆ホスファチジルセリンが認知症のごくごく初の治療として有効であると事を示しています。

RBMTについては、顔認知や顔と名前との関連付けなどの項目がありホスファチジルセリン内服によってスコアが改善したとの報告があります。[18,19]

今回、そのような改善が見られなかった一つの要因として、今回の被験者は内服前からすでに高スコアをマークしている人たちであり、これ以上の改善が見込めなかった可能性があります。

我々は今回、血中ホスファチジルセリン値の測定は行いませんでしたが、いくつかの薬物動態の研究で内服したホスファチジルセリンは速やかに吸収され、BBB(血液脳関門)を通過し、脳に達することが確認されています。[32]

ラットを用いて大豆ホスファチジルセリンを脳血管に直接投与する研究でも記憶力の改善が確認されており[15]、大豆ホスファチジルセリンが脳に直接効く可能性が示唆されます。(以下省略)


・・・・・以上引用終了・・・・・・・・・・・・・・


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